この度第33回整形外科専門医試験に合格し晴れて整形外科専門医となりました。これは私が医師になってからの7年間、仁木教授をはじめ上級医の先生方や時には後輩の先生方からご指導をいただいて得た知識と、多摩病院の先生方のご厚意により勉強時間の確保にご協力をいただいたおかげです。この場を借りて医局員、同門の先生方に厚く御礼を申し上げます。
専門医となった今年度から業務の内容は大きく変わりました。いままでは上級医からご指導をいただく立場で、自分一人では手術も救急診療もままならぬ状況でありました。しかし今年度は3人の後輩から意見を求められる立場に変わり、手術の前立ちを任されるようになりました。手術室で自分より上級の医師がいない状況も珍しくありません。頼れる先輩がいない環境で手術を完遂することは私にとって非常に緊張感があり、慣れたつもりの手術でももう一度成書や過去の手術記録を見直すことが増えました。忘れがちな手術のピットフォールや、自分が後輩たちの学年の頃に何を疑問に思っていたのか、確認することができ、それは自分の復習にも役立っています。
多摩病院では昨年退職された石森先生が数年間整形外科の業務上のリーダーとしてコメディカルや他科の橋渡しをしてくださっていました。私個人としても手術や外来の基礎やテクニックを多くご指導いただきました。石森先生は昨年まで私が最も頼りにしていた専門医の先生です。今までそういった意識はありませんでしたが、今の後輩にとっての石森先生のようになれることが私の直近の目標です。
最後になりますが、今回の専門医師試験の手応えとしては、自信を持ってできたとはとても言えません。これが今の自分の実力と真摯に受け止め、今後も努力を惜しまず患者さんや整形外科の後輩、他科の先生から好かれる、よりよい整形外科医になれるよう頑張ります。上級医や同門の先生方には今後もご迷惑をおかけすることが多々あるかと思いますが、何卒ご指導、ご鞭撻の程よろしくお願い申し上げます。