日本整形外科学会専門医試験に合格いたしましたので、御報告させていただきます。
入局してからの医局生活は、常に専門医の先輩方に支えられて(守られて)診療に関わらせていただいているものと考えていました。そのため早く自分も専門医を取得して、一人前になりたいという思いが強く、今回無事に合格できて、ほっと一安心しています。
受験の準備に際しては、2年前頃から専門医の先輩が、非専門医の先輩にしている受験のアドバイスにこっそり聞き耳を立てていました。その中でも印象的だったのが、忘年会での伊藤先生から寺内先生への「不変的な基礎分野ほどしっかり得点源にするべき」といったアドバイスでした。やはり耳寄りな情報は飲み屋に転がっているようです。そのアドバイスを参考に、基礎分野の勉強を始めました。ちょうど試験1年前頃からです。先輩方の過去の報告を見ると、最速スタートではないでしょうか。「全く分からない基礎分野に嫌気がさしたら、気分転換に提出書類を作成する」といった短気な性格を活かした当直生活で、年度が変わる前にほぼ全ての提出書類を完成させることができました。
ここまでは快調だったのですが…春が来て、暖かくなった頃から海遊びがやめられず。海水が冷たくなった10月頃から勉強を再開しました。臨床分野に入ると「自分はこんなことも知らないまま診療していたのか」と愕然としました。いかに自分の知識が浅く中途半端だったのかと痛感させられることの連続でしたが、勉強したことがすぐに臨床に活かせるため、ポジティブに勉強を続けることができました。1週目までは。12月に入って2周目を始めてからは、常に焦りと緊張感を抱えて勉強していました。Q&A 3週と過去問といった先輩方のアドバイス通りの目標を、年末年始医局に引きこもることで達成できたので、精神的に落ち着いた状態で神戸に向かうことができました。この間、心が折れなかったのは医局内に同期の気配を感じつつ勉強できたことが励みになったと思います。
会場ホテルに前日入りして、先輩方御用達の縁起のいいおでん屋さんで晩御飯をいただきました。出先なのに緊張して、ビールを控えたのが印象的です。筆記試験は緊張し過ぎて、問題用紙が手汗でしわくちゃになりました。「もう二度と受けたくない」という気持ちで、必死に解きました。一転して口頭試験は穏やかな雰囲気であったため、リラックスして受験できました。
今回の受験に際し、医局の方々からいただいた御守りや消しゴムがとても精神的支えになりました。本当にありがとうございました。また試験直前に勉強する時間を与えてくれた2018年下半期股関節班のメンバーにも感謝しています。
この春からは専門医として勤務を始めましたが、まだまだ先輩達の前では若輩であることを痛感させられる日々です。専門医取得はゴールではなく、やっとスタートラインに立ったということを思い知らされました。今後は自身の診療内容にもっと責任を持って、また後輩に正しい指導ができるように精進していくことが必要だと考えています。今後とも御指導・御鞭撻のほど宜しくお願いいたします。