足の外科

足の外科

 聖マリアンナ医科大学科学講座の足の外科の歴史は故三好邦達初代主任教授の時代から始まります。三好教授は先天性内反足をはじめとする足の外科領域の診療、研究に力を注ぎ「日本足の外科研究会」を発足されました。昭和51年に第1回の会長を務められ、その後に名称を「日本足の外科学会・学術集会」とし平成9年に青木治人第2代主任教授が第22回を開催されました。平成24年には現教授の仁木久照第4代主任教授が第37回を開催され、およそ40年にわたる歴史と実績のある診療班です。
 本院、分院合わせて7名のスタッフで診療にあたっています。主な活動内容は大学病院では外来(専門外来;毎週木曜日)、手術(毎週月曜日、水曜日)のほか、各学会、研究会での発表、論文の作成などとなっています。足の外科は小児から成人までを対象とし、先天性内反足から関節鏡による最小侵襲手術や創外固定、各種インプラントなど最新のそして多種多様の手段を用いた治療を行っています。

1.外傷(主に足部・足関節)

 骨折に対しては解剖学的な整復位が得られない場合、積極的に手術的治療法を選択します。足関節果部骨折には手術時に足関節鏡を用い、関節軟骨の評価を同時に行っています。脛骨天蓋部骨折にはStaged Protocolで治療を行い、踵骨骨折には小皮節での整復固定術を行っています。Lisfranc関節損傷には術前に高分解能MRIで靱帯の評価を行い、手術療法を行っています。距骨骨軟骨損傷などに対しては足関節鏡を用いて侵襲の少ない手術を行っています。また、開放性骨折、コンパートメント症候群、デグロービングなどの重傷例に対しては創外固定を用い治療を行っています。また、アキレス腱断裂には小皮節による手術法を選択しております。

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足関節脱臼骨折(左図:術前、右図:術後)

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アキレス腱断裂(左図:断裂部に陥凹をみとめる。中図:術前 右図:術後 小皮切にて手術施行)

2.後天性足部疾患

 外反母趾の治療は基本的に装具、靴の指導などの保存加療を行い、効果の得られない場合、手術療法を選択しています。軽度~中等度の外反母趾であれば中足骨遠位骨切術、中等度~高度の外反母趾に対しては中足骨近位骨切術を選択しています。症例によっては第1TMT関節固定術を選択する場合もあります。また、適応があれば(主に軽度外反母趾)小侵襲手術(中足骨遠位直線状骨切り術:DLMO法)も行っており、それぞれの患者に最適と思われる術式を選択しています。
 成人期扁平足(後脛骨筋腱機能不全)の治療に対しても足底板を用いた保存加療などを行い、効果の得られない場合や重症例には手術療法を選択しています。術式も踵骨内側移動骨切術、長趾屈筋腱の腱移行術、外側支柱延長術、三関節固定術などを症例により使い分けています。
 関節リウマチによる足部変形は主に前足部、中足部、後足部に分けられます。扁平三角状変形に代表される前足部変形例には可能な限り、関節温存手術を選択しています。中足部、後足部変形例では関節破壊が強いものに対しては関節固定を行っています。足関節の関節固定は適応があれば侵襲の少ない関節鏡視下での関節固定を選択しています。
 変形性足関節症に対しては人工関節置換術、人工距骨挿入術、関節固定(関節鏡視下手術含む)等、病状に応じて最適な術式を選択し治療を行っています。

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関節リウマチ前足部変形(左図:左足 術前 右図:術後)

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後脛骨筋機能不全(上図:術前 下図:術後)

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変形性足関節症 人工関節置換術(左:術前 右:術後)

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距骨壊死 人工距骨置換術(上図:術前 下図:術後)

3.スポーツ障害

 足関節外側靱帯損傷の手術方法は薄筋腱を用いた靱帯再建術を行っております。強固な初期固定力により、術後早期からの運動復帰が可能です。また、インピンジメント症候群(前方、後方)に対しては足関節鏡を用い、小侵襲の手術を行っています。疲労骨折(第5中足骨疲労骨折)などにも再発予防、早期復帰を目的とし、積極的に手術療法を行っています。スポーツ障害の治療においては、年齢、種目、運動レベル、目標とする大会までの期間などを考慮し治療を行っています。

後方インピンジメント症候群(三角骨障害)
(左図:術前.矢印は三角骨 中図,右図:術後 最大底屈でもインピンジは認めない)

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リスフラン靭帯損傷 靭帯再建術(左図:術前 右図:術後)

4.先天性足部疾患

肢における先天性の変形、骨異常、短縮、機能障害を扱います。多指症、合指症、短指症、先天性骨癒合症、握り母指などに対し、小児の成長発達状態をみて手術治療時期を検討しております。

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先天性内反足(左図:来院時 中図:ギプス固定 右図:アキレス腱切腱前)

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