昨年度、私は AOFAS (米国)、AFFAS(タイ王国)、ICORS (カナダ)の3学会に参加させて頂く機会を頂戴いたしました。そのなかでも、今回はAFFASでのエピソードを中心にご報告させていただきます。
Triennial Asian Federation of Foot and Ankle Surgeons (AFFAS) はアジアにおける足の外科医が一堂に会する国際学会で1993年に第1回が日本で開催され、現在は3年に1回の間隔で開かれています。前回は2016年に奈良で開催されたこともあり、私はAFFASとしては初めての海外参加となりました。
開催は10月のタイ(バンコク)ということもあり、日本はもはや秋でしたが、約6時間半のフライトの後に到着したバンコクは夏真っ盛りといった気候で、用意してきたジャケットが活躍したのは発表の時と記念写真を撮った時のみでした。
学会会場はCentara Grand at Central World Hotelに併設されている会議場で、パンコク内でも有数のビジネス街の中心に位置しており、周辺には近代的なビルと複合商業施設が立ち並び、東京都内と何ら変わらない雰囲気でした。学会場は巨大なメイン会場といくつかのサブ会場が設定されており、メイン会場は400名以上の規模。サブ会場は50~100名程度の規模の部屋が数部屋に分かれておりました。
実は、私はこれまで国際学会でのポスター発表の経験はありましたが、口演の機会は一度もなく、今回が初めての国際学会での英語口演とあって内心緊張しながら学会受付を済ませました。
しかし会場に入ってみると、英語が母国語ではない先生の集まりということもあって、海外学会に参加して米国で開催されるAOFASなどとは違い英語の文法や発音にも寛容で、一生懸命、お互いのことを知ろうとフロアーでも盛んに挨拶が交わされており、非常にアットホームな雰囲気でした。
この雰囲気ならと思い直しつつ、日韓トラベリングフェローで友達になったChul Hyun Park 先生とフロアーで話をして緊張をほぐし、自分の発表に備えました(Park 先生とは、なぜか英語で話していても全然緊張しないのです。Park 先生に感謝)。
私の発表は初日の夕方のセッション、原口先生が同じセッションの1番目で、4番目が私でした。前日の夜から入念に発表の準備を進め「さあ、頑張るぞ!」と思っていた矢先、2番目と3番目の演者が欠演で会場に不在、座長がじゃあ繰り上げようと、原口先生の後、一気に私の発表になってしまいました。昨年のAOFASでのポスター事件といい、私の海外発表には何らかのトラブルがつきものなのですが、逆にそれがいつも緊張をほぐす良いきっかけにもなっています。今回も気持ちを入れ替えて、むしろリラックスした環境で発表に臨むことができました。
今振り返ってみますと、この学会ではこれまで知り合ったアジアの様々な先生方、さらには学会に招待されて来られたヨーロッパの先生など非常に多くの国々の先生方と交流を持つことができました。現在、新型コロナウィルス感染症の拡大によって、これらの素晴らしい先生方と直接交流できない日々が続いておりますが、これまで培った出会いを大切に、また世界が自由に行き来できる日が来ることを願ってやみません。
最後になりましたが、多くの海外学会参加をサポートしてくださいました足の外科班の先生方、タイが大好きにもかかわらずAFFASでは残り番をしてくださいました秋山先生、医局の皆様、そして、ご指導くださいました仁木教授に厚く御礼を申し上げます。これからも引き続き頑張って参りたいと存じます。
