2018年9月20日から22日まで、オランダのハーグで行われた13th Congress of the European Hip Society(EHS)に参加いたしました。
2年に一度にひらかれる世界各国から股関節外科医があつまる国際会議で、密度の濃い議論が行われる会です。私の口演発表は透析患者におけるTHAのセメントレス ステムの長期成績というものでありました。これで3回目の参加になると記憶しています。留学後に初めて出す国際学会での発表でした。発表は会場が例年と違って大会場でした。いくつかの質問を受けた後に座長からセメント ステムでの同様のシリーズを調べて比較してほしいとコメントをいただきました。セッション終了後に挨拶に行くと、ありがたいことに、こまかなアドバイスも頂きました。海外の先生はdiscussionがおすきです。座長はその場を切り盛りしますので大変そうですが、参加者からしたら大変面白いと思います。日本からもヨーロッパに造詣の深い股関節外科の先生方がいらしていました。藤田裕先生、岩瀬敏樹先生、おおえ賢一先生は若手のころから大変よくしていただいていました。日本を離れてよる飲みながら先生方と話す時間も大変貴重な時間になりました。
学会にまつわる楽しい思ひでがひとつあります。Congress Dinnerに参加した時に、偶然に私の席の横にFinlandの関節外科医が奥様と一緒に着席されました(Ilkka Arnala教授ご夫妻)。食事の間に他愛もない話や、それぞれの労働環境や時間について話していると奥様に「うちの旦那も若い時は帰宅がすごく遅かったわ。でもいずれ時間がたてばあなたも余裕ができてくるでしょうね。」といわれました。日本では働き方改革がおこなわれつつありますが、私の知る限り、スイスやドイツのご高名な先生方も朝は暗いうちから働き出して夜も結構遅くまで手術をしている印象があります。フィンランドもあまりかわりがないようでした。確かに労働時間の短縮は必要な要点に違いないと思いますが、それだけでなく労働の質も並行して改革していく必要があるとおもいました。先生とはその後何度かメールのやり取りをして、クリスマスカードを交換したり、お互いの近況を報告しあっています。いつか、Finlandを訪れたら是非ご夫妻に会いに行きたいとおもっています。
学会場左から、私、藤田裕先生(京都桂病院)、岩瀬敏樹先生(浜松医療センター)、おおえ先生(関西医大)
発表している私