この度、第693回関東整形外科学会月例会にて優秀演題賞を受賞したためご報告させて頂きます。「半月板嚢腫に対して関節鏡下嚢腫交通部拡大術および半月板縫合術を施行した3例」という演題で受賞致しました。
4月に入局したばかりということもあり、今回の発表に至るまでは慣れないことの連続で、受賞のことなど夢にも思わず、実際に受賞するまでは堂々と発表できれば上出来でしょ、くらいにしか思っていませんでした。
今回の演者が自分であることを知らされて、しばらく経ったある日の夕方、病棟業務を終えて医局に戻ると自分のデスクの上に覚えのないクリアファイルが置いてありました。木城先生からで、ファイルの中には症例の情報、いくつかの参考文献、画像検査のデータ入りUSBが入っていました。これを見たとき正直、「なんだ余裕じゃん。」と思いました。ファイルの中の情報をまとめてスライドを作成すれば、無難に発表を終えられるだろうと考えたからです。ご想像通り、初めて自力で作成したスライドは、参考文献の記載方法がバラバラ、フォントが統一されていないなど初歩的なミスから始まり、結果のまとめ方や考察も貧弱で、全体的にひどいものでした。大抵のことは笑って受け入れてくれる事で有名な木城先生が初めて自分のスライドを見たとき、「うーん。。」を連発しながら、なんとも言えない渋い表情をされていたのはとても印象的でした。そこからは仕事が終わると医局で参考文献を検索し、慣れない整形外科の英語論文を読み、指導医、仁木教授と議論を交わしスライドを練る作業が延々と続きました。予演会でも先輩方にご指導を頂き、最終調整を経てなんとか発表当日にこぎつけることが出来ました。
今回の月例会では脊椎に関する演題が多くを占めていました。そのせいもあってか当日の会場は、脊椎に関する発表では各病院の指導医達が白熱した議論を交わしていました。「そもそも先生の診断は間違っていませんか?!」、「僕だったらこんな治療はしませんけどねぇ。」議論といえるのかわからないほどの激闘を目の当たりにし、私の緊張はピークに達しましたが、幸いにも自分の発表は落ち着いて終えることが出来ました。そして結果として優秀演題賞を受賞することが出来ました。しかし今回は、仁木教授、植原先生、木城先生にご指導いただいた通りに発表した結果、受賞につながったと強く感じています。これで来年初めに開催される関東整災総会での優秀演題賞セクションでの発表も確定しましたが、次は少しでも自分の実力で受賞につなげられるように、日々試行錯誤していきたいと思います。
発表を通じて勉強させていただいたことは多々ありますが、同じ内容を伝える場合でも言い回し一つで相手の受け取る印象が変わったり、スライドの順番を1つ入れ替えるだけでも相手の理解度が大きく変わることを学んだのが大きな収穫であったと思います。
最後に改めてこのような貴重な経験を与えて下さった、仁木教授、植原先生、木城先生、病棟業務で負担をおかけしてしまった膝班の先生方、夜な夜な応援してくださった医局員の先生方に感謝の意を述べて受賞報告を終わらせて頂きます。ありがとうございました。