スポーツからロコモまで,膝のトラブルに対処します
2007-2009年
米国Pittsburgh大学留学
関節鏡手術を中心に治療
講師 植原健二
2016年 船橋整形外科で研修
人工関節手術を中心に治療
助教 木城智
膝の変性疾患
変形性膝関節症や関節リウマチ・膝関節症の手術療法として人工膝関節全置換術(TKA)、単顆型人工膝関節置換術(UKA)、高位脛骨骨切り術(HTO)を施行しております。手術の目的は「痛みをとり、日常生活動作を向上させること」で、手術後は定期的に長期にわたり経過観察を行っています。変形性膝関節症や関節リウマチ・膝関節症の治療方法は患者様の年齢や背景に合わせて決めています。
人工膝関節置換術
症例に応じ,通常の人工関節から単顆型人工関節,関節リウマチなどの炎症性疾患などでは制動性の高い人工関節を行っています
人工膝関節置換術については、人工関節センターのサイトもご覧ください。
人工関節センターのサイトはこちらから
左図:全型
右図:単顆型
高齢者の膝骨脆弱性骨折
高齢者の急激に発症する強い膝関節痛の中には膝関節の骨脆弱性骨折が隠れていることがあります
膝のスポーツ障害
前十字靱帯(ACL)断裂では、「解剖学的に正確な位置にあるACLは、膝関節を正しく機能させる」という考え方のもと、ACLを再建しています。再建靱帯にはハムストリング(半腱様筋腱や薄筋腱)や膝蓋腱を用い、スポーツ特性に合わせて使い分けています。臨床研究を行っており、ハムストリングを用いる際には半腱様筋腱に付着する筋組織を採取し骨格筋線維タイプを測定し(簡単にいうと筋肉が短距離型かマラソン型なのかを測定します)ます。その結果を基に、筋線維タイプ別の術後1年におけるリハビリの効果を調査しています。
前十字靭帯2重束再建術、大腿骨孔
半月板断裂では、半月板を元通りに戻すために縫合術を積極的に行っています。陳旧例では、手術中に採血してフィブリンクロット(糊の役目)を作成し、半月板断裂部にフィブリンクロットを挟み込み縫合しています。
後十字靭帯断裂では、保存療法とともに高度不安定症例や複合靭帯損傷例に対しハムストリングを用いてACL断裂と同様に解剖学的に正確な位置に再建を行っています。の他、内側・外側側副靱帯などの損傷に対しては、必要に応じて再建術を行っています。反復性膝蓋骨脱臼では、内側膝蓋大腿靭帯の再建や脛骨粗面移行術を行っています。
手術翌日〜 |
車いす移乗可能 |
手術後数日〜 |
可動域訓練、松葉杖にて歩行訓練(患肢に体重はかけません) |
手術後2週間〜 |
体重の50%をかけた歩行訓練。※歩行が安定したら退院可能です |
手術後4週間〜 |
体重の100%をかけた歩行訓練 |
<半月板を縫合した場合>
手術翌日〜 |
車いす移乗可能 |
手術後数日〜 |
松葉杖にて歩行訓練(患肢に体重はかけません) ※歩行が安定したら退院可能です |
手術後2週間〜 |
可動域訓練(屈曲90°まで) |
手術後4週間〜 |
体重の50%をかけた歩行訓練。 可動域訓練(制限無し) |
手術後6週間〜 |
体重の100%をかけた歩行訓練 |
手術後3ヵ月〜 |
ジョギングを許可 |
手術後4ヵ月〜 |
ランニングを許可 |
手術後5・6ヵ月〜 |
ダッシュ、ターンを許可 |
手術後8-12ヵ月〜 |
競技スポーツへの復帰 |
膝の外傷
膝関節周囲の骨折(大腿骨顆部骨折、脛骨プラトー骨折など)に対しては、AOの骨折治療原理を標準とし、「しっかり固定して、早期よりリハビリテーションを行う」こととしています。過去の症例より得た経験や工夫を生かして治療しています。
その他、膝関節周囲の感染症や多発外傷の治療も積極的に行っています。