膝関節

膝関節

 変形性膝関節症や関節リウマチ・膝関節症の手術療法として人工膝関節全置換術(TKA)、単顆型人工膝関節置換術(UKA)、高位脛骨骨切り術(HTO)を施行しております。手術の目的は「痛みをとり、日常生活動作を向上させること」で、手術後は定期的に長期にわたり経過観察を行っています。変形性膝関節症や関節リウマチ・膝関節症の治療方法は患者様の年齢や背景に合わせて決めています。

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 前十字靱帯(ACL)断裂では、「解剖学的に正確な位置にあるACLは、膝関節を正しく機能させる」という考え方のもと、ACLを再建しています。再建靱帯にはハムストリング(半腱様筋腱や薄筋腱)や膝蓋腱を用い、スポーツ特性に合わせて使い分けています。臨床研究を行っており、ハムストリングを用いる際には半腱様筋腱に付着する筋組織を採取し骨格筋線維タイプを測定し(簡単にいうと筋肉が短距離型かマラソン型なのかを測定します)ます。その結果を基に、筋線維タイプ別の術後1年におけるリハビリの効果を調査しています。

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前十字靭帯2重束再建術、大腿骨孔

術後リハビリテーションプログラム

手術翌日〜 車いす移乗可能
手術後数日〜 可動域訓練、松葉杖にて歩行訓練(患肢に体重はかけません)
手術後2週間〜 体重の50%をかけた歩行訓練。
※歩行が安定したら退院可能です
手術後4週間〜 体重の100%をかけた歩行訓練
<半月板を縫合した場合>
手術翌日〜 車いす移乗可能
手術後数日〜 松葉杖にて歩行訓練(患肢に体重はかけません)
※歩行が安定したら退院可能です
手術後2週間〜 可動域訓練(屈曲90°まで)
手術後4週間〜 体重の50%をかけた歩行訓練。
可動域訓練(制限無し)
手術後6週間〜 体重の100%をかけた歩行訓練
手術後3ヵ月〜 ジョギングを許可
手術後4ヵ月〜 ランニングを許可
手術後5・6ヵ月〜 ダッシュ、ターンを許可
手術後8-12ヵ月〜 競技スポーツへの復帰

 半月板断裂では、半月板を元通りに戻すために縫合術を積極的に行っています。陳旧例では、手術中に採血してフィブリンクロット(糊の役目)を作成し、半月板断裂部にフィブリンクロットを挟み込み縫合しています。

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 後十字靭帯断裂では、保存療法とともに高度不安定症例や複合靭帯損傷例に対しハムストリングを用いてACL断裂と同様に解剖学的に正確な位置に再建を行っています。その他、内側・外側側副靱帯などの損傷に対しては、必要に応じて再建術を行っています。
反復性膝蓋骨脱臼では、内側膝蓋大腿靭帯の再建や脛骨粗面移行術を行っています。

 膝関節周囲の骨折(大腿骨顆部骨折、脛骨プラトー骨折など)に対しては、AOの骨折治療原理を標準とし、「しっかり固定して、早期よりリハビリテーションを行う」こととしています。過去の症例より得た経験や工夫を生かして治療しています。

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 その他、膝関節周囲の感染症や多発外傷の治療も積極的に行っています。

研究

  • 骨格筋筋線維タイプ比率が膝前十字靭帯再建術後の筋力回復に及ぼす影響
  • 前十字靭帯再建術における骨孔位置と膝関節の制動性
  • 前十字靭帯補強術の臨床成績
  • 半月板縫合術の長期成績 —変形性膝関節症への進行を中心に—
  • フィブリンクロットを用いた半月板縫合術の臨床成績
  • 人工膝関節置換術後の患者満足度調査
  • 人工膝関節置換術後における膝関節機能の経時的変化
  • 脛骨プラトー骨折の治療成績
  • 化膿性膝関節炎の治療成績
  • 壊死性筋膜炎の治療成績

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