聖マリアンナ医科大学整形外科講座

整形外科学講座

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聖マリアンナ医科大学整形外科講座

整形外科学講座

足の外科

足の外科
Foot and Ankle

≫Foot and Ankle Service page is here.

先端的かつ包括的な足の外科

2003年に米国Johns Hopkins大学整形外科で足関節の生体力学の研究を行い、またInstitute for Foot and Anke Reconstruction, Mercy Medical Centerにおいて、アメリカ足の外科学前会会長のMark Myerson先生のもとで、足部・足関節手術の基礎を学びました。帰国後、東京警察病院で足の外科専門診を立ち上げ、多くの足の障害・外傷の患者さんを治療してまいりました。2018年に聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院の整形外科部長に就任し、足の外科センターを立ち上げ、全国から患者さんを受け入れてまいりました。
聖マリアンナ医科大学整形外科は、整形外科学講座開講以来足の外科の伝統があり、これまでも地域の先生がたから、多大なる信頼を頂いてまいりました。このたび聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院の足の外科センターのメンバーが加わり、さらに包括的な足の外科の治療を行ってまいります。

教授 原口 直樹

足部・足関節はその疾患・外傷の種類が多く専門性が高い分野ですが、この分野特有の創の合併症の対応や術後の荷重制限のために、これに対応した看護や装具の作製、さらには術後の退院・転院支援が必要です。

これらに対応するため、足部・足関節の疾患・外傷に対する高度かつ専門的な医療を、創傷治療やリハビリテーション、装具療法など、治療の全過程で多職種による包括的な治療を提供できる診療体制を構築しています。これにより患者さんが安心して、より高度な医療が受けられることをめざします。

取り扱っている主な症状・疾患・症例

足部と足関節の障害は多岐にわたっており、診断そのものが困難であることが多く、治療には高い専門性が必要となります。

足部と足関節(足くび)の慢性疼痛や変形を中心に扱っています。具体的には変形性足関節症(軟骨の磨耗による足の痛み)、足関節骨折・踵骨(しょうこつ)骨折後の変形治癒や足関節捻挫の後の不安定症(捻挫ぐせ)、外反扁平足障害、外反母趾、スポーツ障害、足部変形などです。足部と足関節は人体の土台で歩行に最も重要な部分であり、この部分の痛みは日常生活を著しく障害します。

足首がはれて痛い

捻挫の後に足首の痛みがとれない、捻挫ぐせ

捻挫の後に足の甲の痛みがとれない

  • 陳旧性リスフラン関節損傷

捻挫の後に外くるぶしのうしろのスジが外れる感じをくりかえす

  • 反復性腓骨筋腱脱臼

あしの指(2-4趾)の付け根付近の痛み・異物感

扁平足で足首まわり(くるぶしの下など)が痛い

甲高でアーチが高く、かかとや親指の付け根、小指の付け根の接地部が痛い、タコができる

  • 凹足
  • シャルコーマリートゥース病

骨折のあとに痛みがとれない

  • 足関節果部骨折(くるぶしの骨折)や踵骨骨折の変形治癒
  • 外傷後の変形性関節症

踵(かかと)の痛み

  • 足底腱膜炎(足の裏)
  • 踵骨疲労骨折(踵全体)
  • アキレス腱付着部炎(踵のうしろ)

足の裏のしびれ、痛み

  • 足根管症候群

母趾(足の親ゆび)が外を向いて、付け根が痛い

母趾の付け根がはれていたい、そり返せない

≫足の義肢装具外来

1.後天性足部疾患

外反母趾の治療は基本的に装具、靴の指導などの保存加療を行い、効果の得られない場合、手術療法を選択しています。軽度~中等度の外反母趾であれば中足骨遠位骨切術、中等度~高度の外反母趾に対しては中足骨近位骨切術を選択しています。症例によっては第1TMT関節固定術を選択する場合もあります。また、適応があれば(主に軽度外反母趾)小侵襲手術(中足骨遠位直線状骨切り術:DLMO法)も行っており、それぞれの症例に最適と思われる術式を選択しています。

成人期扁平足(後脛骨筋腱機能不全)の治療に対しても足底板を用いた保存加療などを行い、効果の得られない場合や重症例には手術療法を選択しています。術式も踵骨内側移動骨切術長趾屈筋腱の腱移行術外側支柱延長術三関節固定術などを症例により使い分けています。

関節リウマチによる足部変形は主に前足部、中足部、後足部に分けられます。扁平三角状変形に代表される前足部変形例には可能な限り、関節温存手術を選択しています。中足部、後足部変形例では関節破壊が強いものに対しては関節固定を行っていますが、症例に応じて人工足関節置換術や侵襲の少ない関節鏡視下固定術を選択しています。

変形性足関節症に対しては人工足関節置換術人工距骨併用の人工足関節置換術関節固定術(関節鏡視下手術含む)などを、病状に応じて最適な術式や使用するインプラントを選択して治療を行っています。
また距骨壊死に対しては、CTデータからそれぞれの症例に合ったデザインをカスタムメードで作成して用いる、人工距骨置換術を積極的に行っております。

人工足関節置換術については、人工関節センターのサイトもご覧ください。

人工関節センターのサイトはこちらから

また麻痺性尖足変形には創外固定を用いた、漸次矯正手術を行っています。

関節リウマチ前足部変形[手術側は左足]関節温存手術例左図:術前右図:術後

後脛骨筋機能不全上図:術前下図:術後

変形性足関節症人工足関節置換術(TNK Ankle®)左図:術前右図:術後

     

変形性足関節症人工距骨併用の人工足関節置換術(cTAA)左図:術後正面右図:術後側面

変形性足関節症人工足関節置換術(TM Ankle®)左図:術後正面右図:術後側面

距骨壊死人工距骨置換術上図:術前下図:術後

麻痺性尖足テイラースぺーシャルフレームによる漸次矯正手術左図:術前中図:変形矯正中右図:術後

2.スポーツ障害

足関節外側靱帯損傷の手術方法は薄筋腱を用いた靱帯再建術を行っております。強固な初期固定力により、術後早期からの運動復帰が可能です。
また、足関節インピンジメント症候群(前方、後方)に対しては足関節鏡を用い、小侵襲の手術を行っています。
距骨骨軟骨損傷に対しては、病変の大きさや進行度、年齢などに応じ、マイクロフラクチャー法骨釘術距骨軟骨柱移植術などを行っています。
スポーツ障害の患者様にはできる限り、足関節鏡を用いて侵襲の少ない手術を行うようにしています。
また、疲労骨折(第5中足骨疲労骨折)などにも再発予防、早期復帰を目的とし、積極的に手術療法を行っています。スポーツ障害の治療においては、年齢、種目、運動レベル、目標とする大会までの期間などを考慮し治療を行っています。

足関節後方インピンジメント症候群三角骨障害

左図:術前 矢印は三角骨中図中図・右図:術後 最大底屈でもインピンジは認めない

足関節後方インピンジメント症候群鏡視下手術の様子

左図:インピンジメント解除前右図:インピンジメント解除後

       

距骨軟骨損傷マイクロフラクチャー法(鏡視下手術)

傷んだ軟骨を除去したのち、軟骨下骨表層を特殊なデバイスを用いて処置して関節軟骨を再生させる。

距骨軟骨損傷骨軟骨柱移植術(軟骨移植)

傷んだ軟骨を除去したのち、膝関節から軟骨を採取して病変部へ移植する。

3.先天性足部疾患

小児における先天性の足部変形、骨異常、短縮、機能障害を扱います。多指症、合指症、短指症、先天性骨癒合症などに対し、小児の成長発達状態をみて適切な手術時期や治療法を検討しております。

先天性内反足Ponseti法
左図:来院時中図:ギプス固定右図:アキレス腱切腱前

4.外傷

骨折に対しては解剖学的な整復位が得られない場合、積極的に手術的治療法を選択します。
足関節果部骨折には手術時に足関節鏡を用い、関節軟骨の評価を同時に行っています。脛骨天蓋部骨折にはStaged Protocolで治療を行い、踵骨骨折には小皮切での整復固定術を行っています。
Lisfranc関節損傷には術前に高分解能MRIで靱帯の評価を行い、手術療法を行っています。
開放性骨折、コンパートメント症候群、デグロービングなどの重傷例に対してはイリザロフ創外固定を用いた治療を行っています。
アキレス腱断裂には小皮切による手術法を選択しております。

足関節果部骨折左図:術前右図:術後

リスフラン関節損傷薄筋腱を用いた靭帯再建術左図:術前右図:術後

アキレス腱断裂小皮切手術
左図:断裂部での陥凹を認める中図:術前右図:術直後

仁木久照教授の所信表明演説

新病院棟2022年度オープン予定

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