聖マリアンナ医科大学整形外科講座

整形外科学講座

聖マリアンナ医科大学整形外科講座 人工関節センター
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人工肩関節置換術

変形性肩関節症

膝関節や股関節のように軟骨の摩耗、関節の変形により痛みや可動域制限がおこり、腱板断裂がない変形性肩関節症と、長年にわたる大きな腱板断裂が原因で、腱板断裂性関節症と呼ばれる変形性肩関節症があります。骨同士の衝突によって起こる刺激などによって関節内炎症が起こります。この炎症を抑えるために鎮痛剤や注射などで痛みの軽減を行いながらリハビリテーションにより日常生活動作の改善を図ります。

関節破壊が進行し疼痛や可動域制限を伴う場合には人工関節置換術を行います。最近では肩でも技術の進化により、従来の人工肩関節置換術だけでなく、2014年から本邦に導入された新しい人工関節であるリバース型人工肩関節全置換術により適応が広がり、以前よりもはるかに低侵襲で痛みも取れ、動きも良くなるようになりました。当院での手術は患者様の体格、肩関節の変形の度合いなどに合わせて最適なインプラントを選択して行っております。変形が極端に強い場合は手術前に撮影した患者様のCT画像に基づき、患者様専用の骨モデルを作成(Zimmer®️ Patient Specific Instruments Shoulder -Trabecular Metal TM )することで、術前計画及び術中の支援として使用し、より正確な位置に人工関節を設置することができます。創部の大きさは10cm程度、三角筋と大胸筋という筋肉の間からアプローチする方法で侵襲をできるだけ減らす方法を心がけております。入院期間は2週間程度ですが、術後3週間程度は着脱可能な装具をつけます。入院中に自宅での生活訓練、入浴練習、術後の留意点などのリハビリを行います。個人差はありますが術後1〜2ヶ月程度で日常生活を過ごせるようになり、術後3-6ヶ月程度で挙上の獲得が得られることが多いです。職場や社会環境により異なるので仕事復帰やスポーツ活動の再開に関しては主治医と相談が必要です。

高齢化に伴い手術を受けられる患者様は80歳以上の方も増加しておりますが、そのような方でも生活に支障がない程度に回復が見込まれます。当院は大学病院であるためリウマチや内科的な基礎疾患をお持ちの方でも、迅速に診断、治療して安全に手術が受けられます。患者様の希望を叶えるべく、最善の治療方法を提案し、一人でも多くの肩関節痛で苦しむ患者様に満足していただけるような医療を提供できるようにと考えております。

手術前レントゲン

手術前MRI

リバース肩人工肩関節置換術後

仁木久照教授の所信表明演説

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ブレスト&イメージング先端
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