人工関節センター センター長
仁木 久照
聖マリアンナ医科大学、人工関節センターセンター長の仁木久照でございます。
人工関節置換術の歴史は一世紀以上にも及び、整形外科の歴史、進化にも密接に関わってきました。21世紀の現在、技術の進歩により様々なインプラントの開発や術式の考案も進み、大変多くの人工関節センターが日本にも設立されております。 これにより、患者様が選択できる治療の選択肢の幅も広がりを見せつつありますが、患者様にとって何が一番良い治療なのかを適切にご提案できる事、また1つのセンターで広い治療の選択肢の幅をご提案する事は意外に困難です。
当センターでは股関節、膝関節はもちろんの事、足関節を含めた下肢3大関節のすべてに対応できる治療体制を整え、さらにはリウマチ内科やリハビリテーション科とも連携をして下肢機能の温存、再建を行って参ります。また全国でもまだ数台しか導入されていない、最先端テクノロジーを駆使した人工関節手術支援ロボット(ROSA®、Zimmer Biomet社)を採用し、これまで以上に精密かつ安全な治療を患者様にご提供致します。
このロボットは、関東では初導入となります。
本学は2021年に創立50周年の節目の年を迎えます。現在、建築中の新病院は「選ばれる病院~人・社会・未来から~」をテーマに、本学一丸となって準備を進めておりますが、当センターも「患者様に選んで頂けるセンター」を目指して努力して参る所存です。ぜひともよろしくお願い申し上げます。
人工関節センター 副センター長(股関節担当)
山本 豪明
股関節外科のチーフドクターをしております山本豪明(やまもとたけあき)です。
この度、人工関節センター副センター長を拝命しました。
当センターは患者さんのニーズにあった「安全で正確な最高水準の医療」を提供することを使命として設立されました。人工関節手術を通して、患者さんの未来絵図を一緒に作るお手伝いができますのを、スタッフ一同、準備に万全を期して心よりお待ち申し上げております。
聖マリアンナ医科大学病院 人工関節センターでは総合診療が可能な大学病院の強みを生かし、主にリウマチ内科とリハビリ科と連携して、単に人工関節手術をするだけでなく、内科的問題も含めた患者様の運動器の問題を的確に評価し、リハビリと合わせて総合的な治療プランが遂行できる環境を準備しております。
特に当センターでは周術期のリハビリテーションも他院では行っていない、スマホアプリを使用した医療者と患者さんとの双方向性ツールをリハビリに導入予定です。患者さん個人にあったリハビリで満足度もさらに向上すると考えております。
そして手術支援ロボットをセンター開設と同時に運用いたします。導入するZimmerBiomet社製の「ROSA®」は関東では当院が初、現状では日本にもわずか数台だけになります。最先端のテクノロジーを地域の患者さんにお届けいたします。患者さんのみならず、ご紹介していただいた先生方にも必ずやご満足頂けるかと思います。
ROSA Recon ロボットシステム®
ROSA Recon ロボットシステム®
例えて言うなら、ロボット支援手術は経験豊富な神業の匠に手術の助手をしてもらう ・・そのような手術です。
原理を簡単にご説明しますと、この手術は、あらかじめ専用のコンピューターに患者さんの骨の形の情報を入力して解析し、理想的な位置に人工関節を設置する設計図(作図)を起こします。これまでの一般的なシステムはこの作図までがメインでしたが、当センターに導入されているロボットはここからが本領発揮です。
実際の手術では、ロボットは術野に展開されている患者さんの骨の位置データとコンピューター解析情報とをリアルタイムに連動させ、術者にロボットアームを介してどこが最善の骨切りラインなのかを伝えます。
術者はこれまでであれば、紙媒体かモニター越しにしか確認できなかった作図情報を、ロボットアームを操作する事で手術に反映させることができる為、これまでより素早く、正確に手術を行う事ができます。
さらに、膝関節手術では軟部組織の情報(骨の形だけではなく、皮膚や靭帯の硬さなども人工関節置換術の治療では重要となります)も術中に評価して加味できるので、より理想的な人工関節置換術を行う事ができます。
術者の理想とコンピューター解析結果から得られた情報を正確に手術に反映することができる新技術、ご興味がある方は是非一度ご来院ください。